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    『ハリケーンと100日間の日記』

    注意

    ハリあしゅSS。腐発言がダメだったり、
    ハッピーエンドじゃなきゃダメって人間は全力でリターン推奨。






    一体どうしてこうなった
    1日目
    政府の連中が何故かあしゅらを預けてきた。
    「もう、嫁にでもなんとでもしてやってくれ」という人間達。
    何か深い理由があったらしいが、
    あしゅらが嫌がっていたので聞くのはやめた。
    隣で笑ってくれるのなら、理由などどうでもいい。
    まずは部屋の準備からはじめなくては。


    2日目
    折角の機会なので質問攻めにしてみた。
    あしゅらは応えてはくれなかった。
    色々と考えて、社長職はある程度自由にやらせることにした。
    嫁になったとは言え、そこまで縛るつもりはない。
    社長のあしゅらが、ワタシは好きだ。


    3日目
    天気が良かったので、散歩に出る。
    「金銭被害を受けないボンビラス星は初めて」と終始あしゅらは驚いていた。
    「アレはキングの趣味だ」と説明すると、もっと驚いていた。
    思えば自分達貧乏神へのあしゅらの嫌悪も
    こういった悪役的なイメージによって発生したものなのかも知れない。
    自分達の思うこと、やっていることを正確に知ってもらえれば、
    そうすれば「大嫌い」だなんて言わなくなるかも知れない。
    笑ってくれるかも、知れない。


    4日目
    喧嘩をした。
    あまりにも暴れるのでつい右手の嵐を使ってしまった。
    『鬼は人間より遥かに丈夫』だと聞くが、
    あの様子だとそれでも痛かったようだ。
    謝ると銘菓おいどん5個と京都の抹茶で手を打つと言ってきた。
    力配分は真っ先にマスターしなくてはいけない事項なのだと再認する。
    …あまり痛い思いはさせたくない。


    5日目
    昨日の件についてキングに相談してみた。
    色々とアドバイスを貰った。
    やはり王だけあって、経験豊富だ。参考になる。
    ところでキング。…「ケッコンショヤ」とはなんなのだ?


    6日目
    あしゅらに紅茶を入れてもらった。
    味はよくわからないが、あしゅらがいれるのだからおいしいのだろう。
    しかし、一緒につけられたスコーンという食べ物はとても食べにくい。
    人間はあんなものを毎回食べるのか?
    …今度秘書の奴にオススメの茶葉とやらを持ってきてもらおう。
    その方があしゅらも喜ぶ。


    7日目
    あしゅらとコミュニケーションを取れるいい力配分を見つける。
    ポンポンと叩いても痛がらないのがその証だろう。
    これで安易に傷つけたりしない。一安心だ。
    向こうも向こうで、ぎこちなくではあるがこちらを気にしているようだ。
    こちらの態度次第では笑ってくれるようにもなった。
    笑顔を向けてくれるのは何よりも嬉しい。
    …もっと仲良くなりたい。


    8日目
    林檎が欲しいというので取りに行く。
    ブラックがなぜかこちらを見てニヤニヤしていた。
    「なにがおかしい」というと「リア充爆発しろ」と言われた。
    ワタシはリア充…というのか?意味が分からない。
    そして、ハピネスに押し付けられたこの小袋はどう使えばいいのだろう。
    これもキングに聞けばわかるのだろうか。


    9日目
    いつもは通らない道に小さな花を見つけた。
    フクジュソウ、というらしい。
    あしゅらに渡すと捨てられた。折角見つけたプレゼントであったのに。
    …にしても、どうして草木も生えないボンビラス星に花が?
    今度周辺を探索してみようと思う。


    10日目
    えんまが貧乏神を変化させたらしいので、仕方なく家を開ける。
    少し前は地上への出張が楽しみで仕方なかったのだが、
    状況で気持ちは変わるものだ。
    早く帰って、あしゅらに会いたい。
    幸いなのは向こうの数カ月がこちらの数日であるということか。
    …とりあえず、ミサイルはもう少しワタシの代わりに仕事をするべきだと思う。
    なんでアイツだけ仕事が無いんだ。


    11日目
    早々にボンビラス星に戻る。
    とは言え、随分と夜遅くなってしまった為、あしゅらは自室にいるようだ。
    声が聞こえる。
    ???
    あしゅら…泣いてる?


    12日目
    ボンビラス星の中にオアシスを見つけた。
    自分も知らなかった。
    キングのお遊びをこの星の全てだと思っていた
    あしゅらの事を言えないようだ。
    あしゅらにも見てもらおうと誘ったのだが、断られてしまった。
    具合が悪いのだろうか。
    ボンビラス星に長い期間人間や鬼がいた記憶は、ない。
    何が起こるかわからないのは、不安だ。
    だから、自分に出来うることはしてあげたい。


    13日目
    あしゅらが部屋から出てこない。
    返事は聞こえる。体調は大丈夫らしい。


    14日目
    あまりも様子がおかしい。
    もしこれが何かの問題があって起こっているのなら…と思うと
    ワタシは気が気ではない。


    15日目
    キングに会いに行った。
    他のボンビー共も一緒だった。
    状況を話すとキングに「愛が足りてないんじゃないのか?」と言われた。
    「それともお前が「そこにいると思っているだけ」かもな」とも。


    16日目
    ………。
    あしゅらの部屋の扉に、術がかかっていた。
    ボンビラス星ではキングの呪いで
    カードや術の類の能力は打ち消される筈だが、
    絶好調カードで瞬間的に呪いを打ち消して使えるようにする…という
    ゴリ押しのスベで抜けたらしい。

    一緒に笑ったあの日々は油断させる為の演技だったのだろうか。
    内心ではワタシのことも嫌だったのだろうか。
    逃げる為のチャンスをずっと…伺っていたんだろうか。


    17日目
    あしゅらが見つからない。
    その状況がただただ苦しくて、
    吐き捨てたい思いのままに”右手”を振るった。巨大な雷雲が地上を襲った。
    …地上の人間には悪いが、今日のワタシは、ワタシじゃない。


    18日目
    (※謎の文字で描かれていて 読めない)


    19日目
    ―――。
    気がつくとあしゅらがいた。
    自分が連れ戻したらしい。記憶がない。
    その間、何の加減をせずに手を出していたらしく、
    あしゅらはすっかり怯えていた。
    こんな事をするつもりはなかったのに。
    罪悪感でただただ自分を悔やんだ。
    …ワタシはただ、あしゅらの側にいたかっただけなのに。


    20日目
    ワタシがあしゅらに優しいから、
    だからこうなってしまうのだろうか。


    21日目
    キングに自分と揃いの首輪を作ってもらった。
    キングが
    「ふういんの術と同効果の呪いがついているからもう安心だ」と笑った。
    …拘束するような事は好きではないが、
    あしゅらを守るにはこうするしかないと思った。


    22日目
    地上の、テレビというものを見た。
    向こうでは自分達のような関係を
    『運命の赤い糸で繋がっている』というらしい。
    …我々も鎖で繋いだほうがいいのだろうか?
    キングに今度相談してみよう。


    23日目
    キングに相談したところ、大笑いされた後に腕輪を渡された。
    何が面白かったのか、ワタシにはわからない。
    こちらは真剣に相談していたというのに。


    24日目
    あしゅらが、荒れた。
    急な環境の変化に耐えかねたのだろう。
    落ち着かせようと角に触れた瞬間、
    ヘタリと座り込んでそのまま動けなくなってしまった。
    どうやら神の力が角にかかると体に力が入らなくなる、らしい。
    大丈夫かと近寄ろうとしたワタシに、
    あしゅらは、ぎり…と、睨むような視線を向けた。
    「             」
    刺さる一言。
    ―――その瞬間、ワタシの中の何かが…切れた。


    25日目
    …ワタシは、何をしているのだろう。
    どうしてまた、傷つけたのだろう。
    未だぐったりとしたままのあしゅらだけが全てを知っている。


    26日目
    …あぁ。
    …そうか。


    27日目
    キングデビル達にあしゅらを任せて地上に降りる。
    馬鬼が攻撃対象らしいがそんな事どうでもいい。
    この場所にある数多くの思い出達があしゅらの未練となっているのなら、
    その全てを絶ってやる。


    29日目
    珍しくドアの前で出迎えられた。
    これが「あるべき新婚夫婦の姿」という奴か。
    こういう時は形式上、風呂かメシあしゅらかを選ぶものらしいので
    郷にいっては郷に従うことにしよう。


    30日目
    秘書が来た。
    ワタシを一瞬見たが、彼は何も言わなかった。
    傍らのあしゅらが無言で渡された書類を見つめていた。
    …一体そこに何が書かれているのか。
    ワタシに閲覧の権利はないが、大体の予想は付く。


    31日目
    あしゅらがワタシに向かって謝る回数を数え続けた。
    その数だけ、ワタシは黙ってあしゅらを壊す。


    32日目
    モンキー・ボンビーがあしゅらに花を手渡していた。
    アイツの笑顔を見たのは、一体いつぶりだっただろうか。
    瞬間、”右手”が伸びていた。
    他人への笑顔すら、ワタシの心を怒りに変えるのか。


    35日目
    今日は強風が吹いていた。
    時々風の音が部屋にこだまして、
    その度にあしゅらが全身を硬直させてビクついた。
    きっとその風の一つ一つにワタシを思い出すのだろう。


    40日目
    かわらぬひびが つづく。
    わらってくれれば
    それで よかったはずなのに。
    どうしてこうなってしまったのだろうか。


    48日目
    あしゅらが「辞表を出した」と言った。
    これでよかったのだと必死に強がるあしゅらにワタシは初めて胸を貸した。
    これできっと地上には戻らない。
    きっとあしゅらはワタシの側を離れていかない。

    …本当に、ワタシはあしゅらが好きだったんだろうか。
    壊したいだけだったんじゃ、なかったのだろうか。


    54日目
    夜の闇に子守唄が聞こえる。
    今日もあしゅらが歌っているんだろう。
    ここ数日、風が止まない。


    60日目
    カラの薬瓶が落ちていた。
    何の薬かはわからない。でもきっとイイモノじゃぁ、ない。
    事実、最近のあしゅらはよくぼんやりする。
    ぼんやりすると、笑わない。


    62日目
    綺麗な花を見せると、その度にあしゅらが笑ってくれるのに気づいて、
    花を探すのが日課になった。
    笑うと、ぼんやりしないあしゅらが戻ってくる。
    いつものあしゅらが戻ってくる。
    …だから明日は遠出して、
    いちばん綺麗なバラを探そうと思う。


    66日目
    庭を作って花を植えた。
    こうすれば毎日花を探す必要もない。
    毎日別の花を植えれば、きっとこの庭は賑わうだろう。
    …だから、
    なにより笑ってほしいと思う。


    70日目
    あしゅらが 笑う。
    それだけで一日がすぎていく。
    しかしあしゅらの事を思うと病気でもないのに、胸が痛む。
    どうして?
    ワタシにはわからない。


    82日目
    ぼんやりする時間が日に日に増えていく。
    モンキーがまた花を渡してきたが、あしゅらはピクリとも笑わなかった。
    いつのまにか、庭に鳥の声が聞こえる。


    90日目
    あしゅらが、倒れた。
    心が擦り切れて限界なのだと、誰かが言っていた。


    91日目
    もはや、ほとんどのものに反応を示さない。
    唯一、赤いバラにはまだうっすらと反応を返してくれる。
    バラを追って、ワタシを見つめてくれる。
    ―――まだ、笑ってくれる。


    93日目
    風が強まる。反比例するように、あしゅらが弱っていく。
    ここ数日、その変動は顕著だ。
    きっとそのうち、どちらも制御できなくなる。
    そうなれば、ワタシも壊れるのだろうか。
    今日も花を植える。


    95日目
    あしゅらがワタシをみなくなった。
    うわ言につぶやく「ごめんなさい」の言葉。
    …それでもワタシは庭に花を植え続ける。


    96日目
    本を見つけた。
    そこにあったのは貧乏神に対する愚痴と、
    僻地に自分を追いやった政府への悪態、
    他愛もない生活の日々が延々書かれた山吹色の日記帳。
    その最後のページに、しおりに加工されたフクジュソウの押し花があった。
    あしゅらはあの日の花を捨てていなかった。


    97日目
    庭に花が埋まった。
    最後の花を植えて、ワタシは泣いた。
    思えば、目から流れる水の雫の事を
    ヒトの言葉で「ナミダ」というのだと教えてくれたのはあしゅらだった。
    「シアワセ」も「セツナサ」もそして「コイ」も
    教えてくれたのは全部あしゅらだった。


    98日目
    はじめから望んでいたものは全部そこにあった。
    ならば、何故?
    過程の理由を求めても、やはりワタシにはわからなかった。
    「あしゅらを追い詰め、壊した」という”結果”だけが、そこに正しく存在する。

    ―――ワタシは裁きを受けなければならない。


    99日目
    庭にあしゅらを抱き上げて連れだした。
    あしゅらの瞳に7色に輝く庭の光景が何一つ映っていないのを知っていたが、
    薄暗い部屋の中、
    使い古された人形のように佇む姿をワタシは黙ってみていられなかった。

    バラを一輪手に折って髪に刺してやり、
    すっかり青ざめた左腕をとって、その薬指に指輪をはめた。
    行動に反射的に顔を上げたあしゅらの瞳を、ワタシはそっと手で覆う。
    あやすように言いながら角を撫で、顔を覆っていた手を退けると、
    ストンとあしゅらは抵抗をやめた。
    一体なぜ…?」単語ににならない声。
    それと共にあしゅらの目がうつらうつらとしはじめるのをみて、
    ワタシは行動を早めた。

    「そういえば、ワタシ達は結婚式を挙げていなかったな!」
    そう何のことなく、切り出す。
    正直、今更豪勢な物をするつもりはないし、興味もない。
    ただ、『ワタシはあしゅらを愛している』という事実だけは
    どうしても手遅れになる前に誓っておきたかった。

    そして触れる初めての―――そして最後の―――キス。

    「…これからほんの少しだけ、眠くなる。目が覚めたら、お前は社長だ。」
    そう言った声に水気が帯びる。
    この場所であしゅらと過ごした多くの日々が、走馬灯のように駆け巡る。
    …そこにろくな思い出をもたらす事が出来なかったが
    それでも一緒に飲んだ紅茶の味を、ワタシはいまでも憶えている。
    共に過ごした日々の長さを、ワタシは確かに感じている。
    「…大丈夫。そこにワタシはいない。
    お前もここであったことの全てを覚えていない。
     元に戻るだけ…悪夢から、醒めるだけだ。」
    ハリケーン、まさか


    「ありがとう
     …そして、さらばだ。 あしゅら。」


    そして日記は、終わる。





















    100日目。

    ワタシは今日も庭で日記を書く。
    気まぐれに傍らで眠るあしゅらの荒れてしまった髪を梳くと、
    むにゃむにゃとした寝言が返事を返した。

    夢の向こうのあしゅらは今何をしているのだろうか。
    今日も社長として他愛のないことを話し、
    他愛もないことで笑っているのだろうか。
    それとも時に損害を受けて、血眼に赤字と戦っている最中だろうか。
    …持ち主を醒めない夢へと誘う呪いの指輪は、
    今日もあしゅらに変動ある「現実」を見せて止まない。

    「にしても酷い奴だよな、お前も。」
    「…キング。」
    「知ってるか?
     少しでも希望知っちまうと、現実はより辛いんだぜ?
     もし夢のなかで真実を思い出したら…その瞬間、呪いは溶ける。
     間違いなく狂うだろうな…いや、元々心が逝ってるんだから大差ないか。」
    「………」
    「それは本当に幸せなのか?
     戻ったとき…また夢に幽閉するのか?イタズラに傷つけるのか?
     …それとも。」
    「それとも?」
    「…今度こそ楽にしてやるのか?
     お前のワガママで壊され歪まされて生かされ続ける、
     このかわいそうな鬼のを、よ!」
    「愚問だな」
    「お?」
    「その時は、ワタシが死ぬさ。」


    指輪を使ったその時。
    ワタシは本来、あしゅらを殺して解放してやるべきだったのだ。
    これ以上苦しまないよう、楽にしてやるべきだったのだ。
    だが出来なかった。
    ワタシはあしゅらが好きだった…愛していた。
    死ぬあしゅらを見ることに、ワタシの心が耐えられなかった。
    100日の日々の中で弱っていたのはあしゅらだけではなかった。

    ―――だからこれは、あしゅらを生かしたワタシが背負うべき、罪。

    そして、ワタシは日記を付ける。
    一人で永遠とあしゅらの笑みを探す。
    この先、道がどうなろうと望む笑顔はそにはないのに。
    望む場所は存在しないのに。
    それでもワタシは焦がれつづける。

    それが、
    この日記の最終ページを飾る、


    「100日の後悔」の、”結果”。







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